関税・輸入消費税とは?税金の仕組みと計算方法をやさしく解説【前編】
Q. アメリカから日本へ商品を送ると、関税と消費税はどのように計算されますか?
A. 日本へ商品を輸入すると、品目に応じた関税と、原則として輸入消費税(国税・地方消費税の合計10%、対象食品等は8%)がかかります。消費税は商品代金だけでなく、原則として関税額などを加えた額をもとに算出されます。ここでは、一般的な商用輸入を中心に計算の順番を説明します。
1. 関税と輸入消費税は別の税金
| 項目 | 何に対する税金? | ポイント |
|---|---|---|
| 関税 | 海外から輸入する商品 | HSコード・原産地・適用制度などで税率が変わります。無税の商品もあります。 |
| 輸入消費税 | 輸入時の国内消費税 | 標準10%(国税7.8%+地方消費税相当2.2%)。一定の飲食料品等は軽減8%。 |
| 通関・立替手数料 | 運送会社・通関業者のサービス | 税金とは別の費用で、輸送会社の請求書に一緒に載る場合があります。 |
例えば関税が0%でも、輸入消費税まで0円になるとは限りません。
2. まず「課税価格」を求めます
通常の商用輸入では、商品代金に日本の輸入港に到着するまでの国際運賃・保険料などを含めた金額を課税価格として考えます(CIFベース)。実際の課税価格は包装費や手数料等の加算要素、取引条件によって調整が必要な場合があります。
基本イメージ:商品代金 + 日本到着までの国際運賃 + 保険料など = 課税価格
米ドルで購入した場合は、輸入申告時に適用される税関公示の為替相場で日本円に換算します。決済日のクレジットカードの換算レートとは異なることがあります。
図解:輸入税額はこの順番で決まります
+運賃12,000円
+保険3,000円
※税率5%は仮定です
+地方消費税2,200円
端数処理後
※通関手数料等は別
これは後述する「商用輸入・課税価格10万円・関税率5%」の計算練習用の例です。
3. 計算例:課税価格10万円・仮の関税率5%
ここでは税率5%を仮定した計算練習です。特定商品の実際の関税率ではありません。なお、一定の少額貨物には簡易税率が適用される場合があり、実際の申告は別の計算になることがあります。酒税等の追加の内国消費税がないケースとします。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 商品代金 | 85,000円 |
| 国際運賃 | 12,000円 |
| 保険料 | 3,000円 |
| 課税価格 | 100,000円 |
| 仮定する関税率 | 5% |
① 関税を計算する
100,000円 × 5% = 5,000円(関税)
② 輸入消費税を計算する
消費税の課税標準:100,000円 + 5,000円 = 105,000円
国税分:105,000円 × 7.8% = 8,190円 → 8,100円(100円未満切捨て)
地方消費税分:8,100円 × 22 ÷ 78 = 約2,284円 → 2,200円(100円未満切捨て)
③ 合計
関税5,000円 + 輸入消費税8,100円 + 地方消費税2,200円 = 税金合計15,300円
「105,000円×10%」と単純に計算した値とずれるのは、税関では課税標準額の1,000円未満、税額の100円未満などを定められた方法で切り捨てるからです。複数品目の申告は計算・集計単位によっても端数が変わることがあります。
参考画像:日本税関の公式計算チャート
日本税関でも、関税・輸入消費税・地方消費税の計算順序と端数処理が図で説明されています。下の図は税関が公開している別の数値を使った公式計算例です(上記の当社の計算練習とは金額が異なります)。

画像出典:日本税関「1111 関税、消費税等の税額計算方法」(財務省/出典明記のうえ転載)。
4. よくある質問
Q. 国際送料にも税金がかかりますか?
通常の商用輸入では、日本到着までの運賃等が課税価格に含まれます。ただし、国内配送費・サービス手数料がすべて一律に加算されるわけではありません。
Q. 個人輸入も同じ計算ですか?
個人的な使用を目的とする輸入では、海外小売価格の60%を課税価格とする特例が認められる場合があります。また、課税価格の合計が1万円以下なら原則免税ですが、Tシャツなど一部の商品に例外があります。販売・転売目的の商用貨物に個人用特例をそのまま使うことはできません。
Q. 商品ごとの関税率はどこで調べますか?
税関の実行関税率表を使います。詳しい見方と実際の関税率を用いた計算は【後編】実行関税率表の見方と綿製Tシャツの実例計算をご覧ください。
税関の公式資料
関税・消費税の計算方法 / 税関公示の為替相場 / 1万円以下の免税制度
※2026年11月時点の制度をもとにした一般的な解説です。税率・課税価格・免税の適否・端数処理は貨物ごとに異なり、実際の課税額は税関の判断が優先されます。

